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Tunaboni Collectionsの制作情報をお知らせいたします

# ツナボニコレクションズ(Tunaboni Collections)公式ブログ

# mariageマリアージュ-chu・chu-発売記念ショートストーリー

作品サイトはこちら

インタビュー形式のSSです。
激しいネタバレを含みますのでchu・chu本編をご視聴後にどうぞ!
marichuchu

「結婚2年目の人たち」
ここはテレビ番組の制作会社である。
あるバラエティ番組で「結婚して良かったこと・悪かったこと」をテーマに取り上げることが決まった。
インタビュア(以下IV)は街頭で、結婚している様々な年代のカップルを探し出し調査することになった。
以下は、快く取材に応じてくれた結婚2年目の2組の談話である。


(Sさんご夫婦)

IV:お互いに『この人ここが変わったなぁ』と思うことはありますか?

:んー?……特に変化は無いような気がしますが……あったかな
嫁:私も。それほど無いと思います
:……そうだ。嫁が主婦らしくなったなーと感じます
嫁:どきっ。どういうところ?
:こないだの雑貨屋がそうだったよ。店やスーパーで欲しい物のある場所を探しだすのが早くなった。何でああなった?
嫁:……え。なんでだろう……嗅覚?
:主婦の嗅覚が発達したってこと?
嫁:うん。そうかもしれない
(3人で爆笑する)

IV:お互いに直して欲しいところはありますか?

:なんだろう……無いかな。無いですね
嫁:私も無いです。じゃあ今までどおりでいいんだね。ウホホッ
:おいおい(笑)ここで言うかよ
嫁:あっ、うっかりしたっ、ここカットできますか?(慌てる)
IV:?……なんですか、それは?(今の何?)
:ああ、旧石器時代語で話すの我が家でブームなんです
IV:っ……え、旧石器……?なんておっしゃったんでしょうか
:嫁は「良かったー」って言ったと思います。合ってる?
嫁:(うなずく)
IV:……なるほどー(嫁おもしろい)

IV:結婚して良かったことは何ですか?

:……ええっと……数えきれないです
嫁:毎日が楽しいです
IV:そうなんですねぇ(具体的に!ぷりーーず!)

IV.これからのご夫婦の目標があればお聞かせください

:えー……嫁のおかげで今までやらなかったことにもチャレンジ出来てます。これからもそうできればいいかなと
嫁:主人は出張が多いので、健康面に気を配れればと思います
:ありがとうな。……そうだ。今週末からまた出張がある
嫁:そうなんだ?気をつけて行ってきてね
:うん。お土産をまた買ってくる
嫁:やったー(と動きかける)
:……踊り出すかと思った。カメラの前だからセーブしたの?
嫁:うん
:やっぱり(笑)

IV:(すごく楽しそう)……ご協力ありがとうございました!


(Vさんご夫妻)

IV:お互いに『この人ここが変わったなぁ』と思うことはありますか?

ティト:ノー。妻は交際当時から全然変わらないです
嫁:彼も変わってないですけど、『知りたいブーム』が変わってます。ちょっと前まで時代劇だったけど今は刑事ドラマだね
ティト:そうだね。駄菓子も今のブームのひとつかな
IV:いろいろな方面にご興味があると
嫁:知識欲のかたまりみたいな人なんです
ティト:僕、会社では日本オタクって呼ばれてる(笑)
(3人で爆笑する)

IV:お互いに直して欲しいところはありますか?

ティト:ワオ。(嫁に)言っていいの?
嫁:いいよ、大体わかる
ティト:キスをいつでも素直に受け入れて欲しい
嫁:(うなずく)
IV:そうなんですか?
嫁:キスの回数が多すぎて、未だにキスするタイミングが読めないというか……戸惑っちゃうんです
ティト:うん。僕もそれはわかっているけどやっぱり寂しく感じる
嫁:慣れるようにするね
ティト:シ。わかってるよ、モナムール。きみもあるでしょ?直して欲しいところ
嫁:あれかな。……予定どおりに動かなくてちょっと遅れがちな所
ティト:だよね……気をつけるようにする。きみを困らせたいわけじゃないんだ
嫁:お互い気をつけようね
IV:……いいですねぇ(『モナムール』に撃たれている)

IV:結婚して良かったことは何ですか?

ティト:良かったことは全部。きみは?
嫁:私も同じ
IV:ははは(みじかっ)

IV:これからのご夫婦の目標があればお聞かせください

ティト:そうですね。僕は国王であることが判明したので、王妃と共に国を栄えさせたいと思ってます
IV:えっ、国、ですか?(は?どゆこと?)
嫁:わかりにくくてすみません。最近ふざけてお互いのことを「王様」「王妃」と呼び合ったりするので
ティト:どうなるだろうね
嫁:ねー
IV:?えっと何を……
ティト:ノー。神様だけがご存じなんです、僕らもわからない

IV:あらー残念です(何だろうなぁ?)ご協力ありがとうございました!


(いくつかの取材が終わる)

IV:もうちょっと撮れ高いるよね。あと何組くらい必要かなぁ
カメラマン:なぁ、なんで「結婚して悪かったこと」を聞かねぇの?今回のテーマだろ
IV:良かったはともかく悪かったことは失礼すぎる。パートナーが傷つくじゃん。そっちは電話アンケートにしようってPに掛け合うわ
カメラマン:はーん……
IV:なんで?電話の方が本音が出やすいんだよ?
カメラマン:いや、そうじゃなくてさ。……イイコイイコ(IVの頭をなでる)
IV:ちょ、何すんのっ
カメラマン:イイコだから
IV:意味がわからんし。あっ、あの人たち結婚してるかな?ついてきて!(と駆け出す)
カメラマン:りょーかい(と後を追う)

(了)


マリアージュchu・chu発売になりました。楽しんでいただけましたら幸いです
(かしわ)

# mariageシリーズ・樋口涼へのお礼ショートストーリー

今年のバレンタインデーに樋口涼宛に金平糖型の可愛らしいチョコレートが届きました。
お礼のSSに加筆修正をしたものがこちらになります。
ホワイトデーの一日後のお話です。

「光のホワイトデー」

大失態をおかしてしまった。
バレンタインデーにひよこからチョコレート(すこぶるセンスにあふれた金平糖型のヤツ)をもらって、何をお返ししようか考えているうちにホワイトデーが過ぎてしまった。
こういうイベントに疎くなってきつつあるのを自覚する。
多忙のせいか、はたまたトシを取ったせいか?いや……きっとどちらもに違いない。
一日遅れくらいならセーフかな。とにかく何とかせにゃ。
ひよこは鼻歌を歌いながら洗い物をしている。

「ひよこ、ちょっとそこまで一緒に出かけよ」
「今からですか?……え、どこに?」
「それはナイショ」
と言うと首をかしげた。

車に乗せてしばらくすると、ひよこはお出かけの距離が「ちょっと」ではないことに気がついた。
「えー?」と驚いている。
「コンビニかと思った……」
「何か買いたいものでもあるの」
「特にはないですけど。コンビニ楽しいじゃないですか。今、一番くじとか何をやってるんでしょうね」
やっぱりこいつの方が若いのか。俺は最近そういうことに関心が薄くなってるよ……やばいな。
デザイナーがそれではいかんだろ、と反省する。
今日は反省の一日になりそうだ。

パークウェイに入るとカーブにうねる山道がしばらく続き、やがて丘の上に展望台が見えてきた。
「降りて」
展望台へ向かう道をふたりで歩く。
駐車場からも夜景が見えていたが、視界を遮るもののないテッペンの展望は格別だった。
「は~~綺麗ですね」
「夜景も綺麗だけどな、空も見てみな」
澄み切った空気の中に、さえざえと星々が瞬いている。
「気に入った?」
「はい!」
ああ、良かった。

「バレンタインデーのお返し。とりあえず今日のところはこれで勘弁して。ちゃんと埋め合わせるから」
そう言うと、気にしないでください、と笑ってくれた。
「本当に綺麗」
「おまえの金平糖チョコには負けてる」
「そうですか?」
「うん。センスあるなぁと思った。負けてらんねーとも思った」
「……私が勝てるわけないじゃないですか」
「んなことはないよ」
俺もぴかぴかにアンテナ磨いてがんばらないと。

つないだ手をぎゅっと握りしめると、同じように握り返してきた。
こいつの気持ちが伝わってくる。
ふたりで眺めていると、星と街の光は一層輝きを増したように見えた。
静かで、やさしい夜だった。

(了)

# mariageシリーズ「バレンタイン街頭インタビュー」&3/22発売予定Vol.5佐々木陽編ちょっと出しSS

※テレビの街頭インタビューに答える4人(峯岸達己、樋口涼、月村海、宇佐美晃)のお話+3/22発売新作「mariagevlol.5佐々木陽編(CV河村眞人)の本編前のお話を少しご紹介します
シリーズサイトはこちら


mariageバナー

(バレンタインデー間近の某所の駅前で、とあるテレビ局が街録を行っている)
インタビュア(以下IV)『はーい。今私は○駅前に来ています。間もなく2/14がやってきますね。男性諸氏にはそわそわドキドキの一日ではないでしょうか。今からここを通る男性の方にバレンタインデーにまつわる悲喜こもごものエピソードを伺ってみたいと思います!』

①峯岸達己の場合

IV「あ、早速、サラリーマンの方が来ましたよ~、ちょっとお話を伺ってみましょう」
   //IV、峯岸達己のそばに近づく
IV「すみませーん、テレビ●●ですが、少しお時間いただけますか~」
達己「? はい?」
IV「もうじきバレンタインデーですね。よろしければバレンタインデーにまつわる思い出など、何かお聞かせいただけないでしょうか」
達己「あー……そういう企画なんですね。えーと……思い出……何かあったかな~」
達己「……あ。昨年の話でもいいでしょうか」

IV「ハイ、大丈夫です!」
達己「妻と一緒にデパートのチョコレートフェアに行ったんです。日本では売っていない商品を見つけまして。それがすごく美味しかったんですよ」
IV「ほおお」
達己「それで、買い足そうと思ったんですが、あっという間に売り切れちゃったんですよね。残念な思い出です」
IV「なるほど~がっかりされたんですね」
達己「今年こそリベンジしようと思ったんですけど、そのメーカー、今年は日本に来てないんです」
IV「あらー」
達己「なので、思い切ってお取り寄せをしました」
IV「え、すごい!」
達己「シンガポールのホテルの中にショップがあるんですよ。現地の同僚に送ってもらうように頼みました。そろそろ届くんじゃないかな?」
IV「あれ、そうするとご自分でご自分のチョコを買ったってことですか?」
達己「いえ、自分はどうでもいいんですよ。妻に食べさせたいと思って」
達己「もうね~あの人、食べることが大好きなんですよね。喜ぶ顔が見たくて。はははっ」

IV「……あらー、素敵ですねぇ(愛妻家だわぁ)お忙しいところありがとうございました!」
   //達己、にこやかに去る



②樋口涼の場合

   //IV、樋口涼のそばに駆け寄る
IV「すみませーん、テレビ●●なんですが」
涼「ハイ?」
IV「もしよろしければ、バレンタインにまつわるエピソードなどをお聞かせ願えませんか?これぞっていうお話があれば!」
涼「……バレンタイン……? これぞというエピソード……え、どれだろ」
IV「あら、もしかしてエピソードがたくさんあるんですか~」
涼「うーん?まぁそこそこ」
IV「(いいぞいいぞ)モテすぎて困っちゃったな~みたいなエピソードがあったら教えてください」
涼「あーあったかも。…………あ。これってこのまま放映しちゃいます?」(小声で囁く)
IV「あ、なんでしたら編集でモザイクかけて音声変えますけど!」(小声で囁く)
涼「ええ……?……いや。今のはカットしてください。別にどーでもいいんだけど、一応嫁への礼儀で」
涼「じゃあやり直しますね。……3,2,1,キュー!」

IV「(仕切ってる!)」
涼「……エピソードですか? ありますよ、強烈なインパクトのあるヤツを昨年もらいましたから」
IV「あらー、どんなチョコレートでしょうか」
涼「俺、ハンバーグが好物なんですけど、嫁がその日ハンバーグを作ってくれまして」
IV「あ~、いいですね」
涼「そんで、その中にホワイトチョコレートが仕込んでありました……本人はいたって大真面目なんですよね」
IV「えええ!……どんなお味だったんですか!?」
涼「いや~……死ぬほど美味かったです(カメラを向いて)ひよこ、今年はごくフツーのチョコでいいからな!愛してるぞ!」
IV「ぶっ(吹き出す)」
涼「うまく編集してください。よろしく~」
   //涼、軽やかに去っていく
IV「楽しい方でしたね。ホワイトチョコ入りのハンバーグ、一体どんなお味なんでしょうね」



③月村海の場合

   //IV、月村海のそばに駆け寄る
IV「すみませーん、テレビ●●と申します~」
海「ふおお、テレビ局……」
IV「学生さんですか?」
海「あ、いえ、社会人です」
IV「まぁ失礼しました。今、ここで男性の皆さんにバレンタインデーにまつわるエピソードを伺ってるんですよ。よろしければお願いできますか?」
海「…………ばれんたいん……? 男子ばかりの学校だったので特には……」
IV「(あら、どうしよ)子供の頃のお話でもいいですよ」
海「子供の頃は……虫歯が多くておふくろから糖分を制限されてました……もらったチョコレートも全部は食べさせてもらえなかったです」
IV「あら~(可哀想……)じゃあ甘いものがお好きなんですね」
海「だいすきですっ! 一日一回は甘いものが食べたいですっ!」
海「あ、そうだ。今度スイーツブッフェに行くんですよ。バレンタインスペシャルのチョコレートファウンテンが楽しみで」

IV「まぁいいですね~、どなたといらっしゃるんでしょう?彼女さん?」
海「いえ、妻です。……うわ……やっばい、人前で妻とか言っちゃった……はずかし~」
IV「え!結婚されてるんですか?お年はおいくつ?」
海「24歳です」
IV「おお……奥様はもしかして年上の方ですか?」
海「えっ、なんでわかるんですか」
IV「(わかるよ、キミはそんな感じだよ)では、テレビの前の奥様に一言どうぞ!」
海「えー? えへへへへ……おんちゃーん、大好きだよー。ブッフェでいっぱいチョコ食べようね~。えへへ、これでいいですかー?」
IV「……ありがとうございました! 年下の旦那様に奥様への愛を叫んでいただきました!」
   //海、テレビスタッフに会釈しながら去る



④宇佐美晃の場合

   //晃、ぼんやりと立っている
IV「すみません、テレビ●●と申しますが~今お時間いいですか~」
晃「ん。あ、私ですか?」
I
V「はい。今、皆さんにバレンタインデーにまつわるエピソードを伺っているんですが、もしよろしければお聞かせ願えないかと思いまして」
晃「ばれんたいんでーにまつわるはなし」
IV「はい、何かありますか?」
晃「………………(考えている)」
IV「あの、バレンタインデーはご存知、でしょうか」
晃「はい。知ってますよ。男性がチョコレートをもらう日ですね」
IV「(不思議なテンポだ)では、バレンタインチョコレートの思い出はありますか?」
晃「!……あります! ちょっと待ってください。(とカバンをごそごそしだす)」
IV「??」
晃「これ、どーぞ召し上がってみてください。抹茶チョコレートです。私が商品化したものなんですよ。もー、苦労の思い出しかないです」
IV「(え、食べるの?カメラ回ってるし大丈夫だよね)……(もぐ)……美味しい!!」
晃「ああ、それは何よりです。今●●デパートのバレンタインフェアに出店してますので。よかったらお越しくださいね」
IV「なんと! 偶然にもバレンタインチョコレートを作る側の方だったんですね!」
IV『(まとめるか)女性でも男性でもバレンタインデーは心ときめくものですね。みなさんはこの日をどう過ごされますか?ハッピーバレンタイン!』
   //「カット」の声がかかる
晃「ありがとうございます。声をかけてもらえてラッキーでした。宣伝になりました」
IV「……期間中はずっと●●デパートにいらっしゃるんですか?」
晃「いや、妻と交代です。地元との往復をしてまして今から引き継ぎなんですが……あ、来ました」
晃「こっちですよ~」

   //晃の妻、晃のそばに駆け寄る
晃「あれ、鼻が赤いですね。そんな格好で寒くない?もっと着込んでくればよかったのに」
   //晃、自分のマフラーを妻の首に巻く
晃「ほら、マフラーをしなさい。……駄目です、風邪を引いたら大変ですから。……ふふ、私の匂いがします?」
晃「(IVに)じゃあ失礼します。どうもありがとうございました」

   //晃と妻、いちゃつきながら去る
IV「………嫁バカ・オールスターズ……?」
(了)
【告知】mariageシリーズ月村海(CV昼間真昼)&宇佐美晃(CV土門熱)のアソートディスクの制作が決定しました!
発売は今年の夏頃の予定です。お楽しみに!



mari5汎用画像

「帰りたい!」
(トラック1の直前のお話)

「ハルー、今からファミレスに寄って今回のロケの反省会するみたいだぞ。おまえどうする?」
空港ロビーでロケスタッフの一人に声をかけられる。
成田到着→解散→直帰だ直帰だ!と心の中で決めてたのに……。
「あー……どうしよ」
「まぁ、おまえはメイクだからDの駄目出しはないと思うよ。行かなくてよくね?愛する新妻の元に帰りたいだろ」
「うーん……とりあえず。Dにお先に失礼しますって挨拶だけして帰るよ」
「おお、そうしろ」
ところが、かのディレクターが誰ぞに電話をかけていて、それがなかなか終わらない。
長い!帰りたい!長い!帰りたい!
嫁には寝てていいと言ってあるが、出来れば起きている顔が見たいんだ。
電話が終わるのを待ってようやく声をかける。
さっくり挨拶だけで終われると思いきや……あー何でこうなる。ディレクター、雑談が長すぎます!
リムジンバスの最終って何時だっけ。
頼む……早く帰らせてくれ!
(了)

# mariageシリーズ「ハロウィーンの日ショートストーリー」

mariageバナー

(峯岸夫婦編)

「ただいまー」
『おかえり、たっちゃん』
「ハロウィーンは日本に浸透したねぇ。駅前は仮装してる人がいっぱいだったよ」
うん、すごかったよね、と返事をするおまえにギフトBOXを見せる。
『?』
「ハロウィーンのお菓子だよ」
『おおっ嬉しい。ありがとう』と受け取る手前で寸止めする。
「ちょっと待って。お約束のセリフをどうぞ」
『えーと……お菓子をくれなきゃイタズラするぞ?』
ちっちっちっ、と俺は指を振る。
「もう少し変化球が欲しい」
『?なんて言えばいいの?』
「『お菓子をくれなきゃイタズラさせてあげないぞ!』てのはどう?」
『……た、たっちゃん……』



(樋口夫婦編)

とある制作会社のハロウィーン仮装パーティーに毎年参加しているが、今回は嫁を同行させる。
嫁を新人デザイナーとして売り込む狙いがあるからだ。

「と、いうわけでおまえはこれを着ろ」
『……ヒヨコの着ぐるみ……』
「抵抗ないだろ?仮装じゃなくて実装だから」
『……実装!?……そういう涼さんはどんな仮装なんですか?』
俺はここ数年ずっと同じ仮装で通している。
最初の頃は頭を悩ませて工夫をしていたが、今はもう気楽にやることにした。
「俺はここんとこ『ウォーリーを探せ』のウォーリー一択だな。被り物もなくて楽でいい」
『おお、涼さんも実装なのか』
「……なにぃ?……いいから俺のために見せてみ。ひよこinヒヨコを。ほらほら着替えろよ」
『……(もしかして自分が見たいだけなんじゃ)……』

(こうしてウォーリーとヒヨコは仲良く手をつないでパーティーに出かけていきました)



(月村夫婦編)

ハロウィーンの日の商店街は、それぞれの店を訪れた子どもたちにお菓子を配るイベントをしている。
前日俺はその袋詰めを手伝った。

「子どもたち、喜ぶだろうねぇ」
『仮装した子どもたちってすごく可愛いよ』
「だろうねぇ………ん?それは何?」
ああ、これ、とおんちゃんが手にしたのは小さなポットだ。お菓子と一緒に渡すらしい。
『これはエアプラント。園芸の楽しみを知ってもらえたら嬉しいなって』
ポットをビニール袋に入れていく優しい手つきを見ていると、うちの店の花は幸せだなぁと思う。
(そんなこの人といる俺も幸せなのは言うまでもありませんけどね?)
「子どもたちがお花好きになってくれるといいね」
『そうだねぇ……将来このお店のお得意様になってくれないかなぁ……?』
「……おんちゃんの目がまた商人(あきんど)に……」



(宇佐美夫婦編)

(某所のハロウィーンの行列のニュースをテレビで見ている2人)

「仮装はわかるんですけど、何でぞろぞろ歩いてるんでしょうね」
『たくさんの人に見てもらいたいんじゃないかな?』
「……数年前、ハロウィーンの日だと知らずに関西の繁華街でフグを食べることになって」
『フグ!』
「ええ、フグです。でも道いっぱいに人がいるんですよ。仮装行列に逆行する形になって予約時間に遅れたことがあったなぁと」
『それで?』
「いえ、オチはありません。……なのでハロウィーンというとフグを思い出すっていう話」
奥さんはプッと吹き出した。
「今、笑うところありました?」
妙に大人びて『晃さんて自然体ですよねぇ』など言ってのける奥さん。
「それは天然って意味かな?……返答次第ではイタズラしますよ?」

(返答を待つまでもなくイタズラに及ぶ晃)

(了)

# 発売まであと3日!mariage_Vol.4発売記念ショートストーリー

6/27発売のmariage_Vol.4宇佐美晃編(CV土門熱)のお話です。
こちらはサンプル①の冒頭部分のエピソードをSSにしたものになります。
本編ご視聴前でもネタ的には影響ないと思いますが、気になる方は本編後にお楽しみください。

mariageシリーズサイトはこちら
vol.4宇佐美晃編はこちら(サンプルボイス公開中です)

「変わらないもの」

「そう言えば、あなたに聞いてみたいことがあったんですよね」
-?
「あの時のことなんですが……」
と、話は過去に遡る。


銀行でのランチタイム。
受信メールの【合格しました!】のタイトルを見た瞬間ガッツポーズをしてしまい同僚に驚かれた。
「いや、家庭教師をしている子が受験に合格したので」と話すと「ああ、あの例の」とうなずかれた。
「可愛いって自慢してた子だろ。上手いことやってんなーと思ってた」
ずいぶんと失敬なことを言う(可愛いのは本当だけど)
お祝いに何か贈ろう、と考え始めたものの、十代の女の子の好みそうな物を思いつくはずもなく。

その後、プレゼントを渡すだけでは味気ない、食事も一緒に、と考えがまとまったのだが、『十代の女の子の好み・その②・食事編』の問題にぶち当たる。
パンケーキ?ハンバーグ?そうするとファミレスが無難?いやいや、悪くはないが「ハレ感」が薄い。
メニューが老若男女に対応、それなりにハレの雰囲気もあって堅苦しくなくて、と選抜していくと、我が家が昔から通っているイタリアンの店が適当と思われた。
さて、肝心の『その①・プレゼント編』だ。うーん……何にしよう。十代に詳しい神様、知恵を貸してください!

そして当日、待ち合わせ場所に佇んでいる人を一瞬彼女とは思わずに通り過ぎそうになった。
「うわ……見違えました」
今日の彼女は普段よりも大人っぽい装いをしている。そう指摘すると真っ赤になった。
-そういうお店はカジュアルじゃない方がいいのかなと思って
「ちゃんと考えてきて偉いですね」
褒めて学力を伸ばしてきた癖で、つい頭を撫でそうになる。
それにしても女の子は変わるものだ、と面映い気持ちで並んで歩いた。

「これ、ささやかなお祝いです。なかなか思いつかずこんなものになってしまいました……合格おめでとうございます」
リザーブをしていた席で包みを渡す。
開けてもいいですかと聞かれ頷いた。包み紙を開く表情は期待に満ちている。ああ、どんな審判が下るんだろう。
-テーマパークのパスポート!……ありがとうございます!
良かった。外してなかったらしい。
「行く日を指定するそうですよ。あとから気づいたんですが、一人分というのは使いにくいですよね。……何なら私と一緒に遊びに行きます?」
最後の一言は冗談まじりだった。当然流されると思っていた。ところが。
-はい、お願いします!
目を輝かせている……可愛くて参ってしまう。思わず頭を撫で撫で。
……店内の視線を集めていることに気がつくまでうっかり撫で続けてしまった。

談笑のうちに食事が終わり、会計をしている時に「晃」と肩を叩かれた。
見れば、父親が彼女のお父上と並んで立っている。これから食事だという2人は、席が空くのを待っているらしい。
「今日はお祝いをしてくださったそうで。この度は晃くんに本当にお世話になりました」
「いや、愚息がお役に立てたなら何よりでした……おっ」
彼女の姿に目を見開く父。
「今日はやけに大人っぽいね……合格おめでとう」
ありがとうございます、と畏まる彼女を不躾に見ている。その視線はもはやセクハラに近い。
が、なおも父はたたみ掛けた。
「うん。お似合いだし相性もいいみたいだし。晃と将来一緒になってやって」

ん?
「いいですね。晃くんなら安心だ」
中年男性ズを交互に見ると、うんうん、とどちらも頷いている。……何故お父上まで?
ぽかん、と口を開けていた彼女の顔がみるみるうちに赤らんできた。
「……いきなりそんな……この人が可哀想でしょう」
「おや、そうなの。晃じゃイヤ?」
何も言えずに首を横にふる姿が痛々しくて、思わず立ちふさがった。
「もうやめてください」
「やっぱり仲がいいな」
「……店先でする話じゃないですよね。お先に失礼します」
にやつく2人をあとにして急いで店から退出した。


そして、今。
「……っていう、婚約にいたるきっかけ。あったじゃないですか」
-ありましたねぇ
「あの時あんなセクハラっぽいことを言われてどう思ったんですか。傷ついたかなって気になってたんです」
-……ううん。晃さんが『え、こんな子供と私がぁ?冗談じゃないですー』って言ったら嫌だなとは思ってましたけど
「………まさか物真似されるとは思わなかった……」
-似てました?
「かなり」
-あはは
「……まぁ……今となっては、あの人たちに感謝ですね」
-そうなりますね
「……テーマパーク、久しぶりに行きましょうか?」
-!!
「ほら、おいで」

可愛いい反応は変わらない。ただ私が頭を撫でる程度では済まなくなっただけ。
愛しい人の頬に口づけながら、次の休みはいつだっけ?と考えている。


(了)