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Tunaboni Collectionsの制作情報をお知らせいたします

# ツナボニコレクションズ(Tunaboni Collections)公式ブログ

# 2016年に制作する作品

2016年の制作予定作品のご紹介です。(いずれも18歳以上推奨作品になります)※これ以降の制作は未定です

①「In the room―イン・ザ・ルーム―」

2016年4月下旬発売予定
キャストは決定しておりますが、ティザーサイトで正式に発表します。
公式サイト「イン・ザ・ルーム」
イラストは夜咲こん(@kon_yazaki)さん、シナリオは天王州藍さん&弊社の共作です。

ティザーサイトの公開と商品の予約開始は2月中旬を予定しています。

インザブログ用


②「私の小鳥シリーズ(仮題)2作品」

2016年夏発売予定
キャスト未定。
イラストは一越A区(@ITIGOSI_eiqu)さん、シナリオはかしわさんです。
とりあえずイラスト(服装)でお知らせできるのは世界観がこういうイメージということのみになりますが、明るめの作品になりそうです。

ルドガーブログ画像

コンラートブログ画像

※いずれの場合も詳細は「公式サイト」または「公式ブログ」で公開後にTwitterアカウントを通してお知らせする流れになります。

※某誌にて充電期間を設ける旨を掲載いただいてましたが、休まずに制作することになりました。今後共よしなにお付き合いいただけますようお願いいたします。

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# 恋する編集者シリーズ完結記念。アフターストーリーその③「手ほどき。」

恋する編集者シリーズ第2弾「手ほどき。」(2015年9月発売)アフターショートストーリーです。
(本編をお聴きになってからどうぞ)



「新しいシーツ」
~恋する編集者シリーズ第2弾「手ほどき。」アフターSS


玄関ドアが開くと同時に「お」という声がした。
杉原さん、もとい、亮司さんはきょろきょろと周りを見回している。
「壁紙、張り替えたんですね」
……敬語だ。
つまり今の彼は仕事モードということ。
「ええ、ちょっと気分を変えたくて。……杉原さん、仕事部屋にどうぞ」

彼の会社サイレント出版は今忙しいようで、彼が以前のように打ち合わせに来ることは少なくなった。
デジタルで入稿できる時代だし、大抵のことはメールでやりとりできる。
私達がわりあい密な時間を過ごしていたのは……まぁあれがあったからで。
今日はファンレターを持ってきてくれたのだが、彼が模様替えをどう思うのか楽しみにしていた。

「仕事部屋の壁紙もいいですね。しっとりしていて落ち着く」
「ええ。フィトンチット、だったかな。森林の成分が含まれてるらしいです。落ち着くのはそのせいかも」
「なるほど、仕事の能率があがりそうですね」
そう言いながら、彼はコネクトルームになっている隣の寝室へのドアノブに手をかけた。
「あ!」という私の声に彼が振り向いた。
「寝室に何か問題でも?」
少し悪い顔で笑う。止める間もなく彼はドアを開けてしまい、私もあわてて後を追った。

「ほう……これは」
実は一番頭を悩ませたのがここだった。
彼が好きな紺や青系統のカラーで、壁紙だけでなくカーテンやベッド周りのリネン類もまとめてみた。
今までは少女趣味すぎて、大人な彼の好みとはかけ離れている気がしていたのだ。
……気に入ってくれるだろうか。

彼はゆっくりと部屋を巡回してベッド脇に立った。
「藍色のシーツ、ね。……ちょっと失礼」
言うやいなや私は抱え込まれ、ベッドに仰向かされる。
「藍色は日本人の肌色に合うって言うよね」

私の服のボタンを外しながら彼は続けた。
「本当だ。白い肌によく映える……視覚的にコントラストがすごくいい。このシーツ、好きだな」
胸をまさぐられ吐息まじりで彼を呼んだ。
「……すぎはらさん」
「亮司、だろ?」

眼鏡を外しヘッドレストに置く、彼の手の一連の動作。
見慣れたはずなのにその綺麗な手から目が離せない。
たぶんこの手は今から私をめちゃくちゃにする。
ほら。やっぱり―

『一度好きになると執着するタチなんだよ』
全てが終わった後の彼の言葉はうつろにしか覚えていないのだけど。

(あれってシーツのことだよね?)
翌日、洗濯機の中で回るシーツを眺めながら、その言葉の意味を考えた。
(気に入ってくれてよかったな。替えをもう少し買い足そう)
私はシーツを追加オーダーするためにPCのある部屋に移動した。


(了)



※次回は第1弾「はつ恋。」のSSを公開予定です(時期は未定です)



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# 恋する編集者シリーズ完結記念。アフターストーリーその②「かけ引き。」

恋する編集者シリーズ第3弾「かけ引き。」(2015年11月発売)アフターショートストーリーです。
(本編をお聴きになってからどうぞ)


「悪ガキのシツケ方」
~恋する編集者シリーズ第3弾「かけ引き。」アフターSS


電車の中からラインを送ると「俺、もう駅にいる。待ってるよ」とすぐにレスポンスがついた。
なんとか定時には上がれたもののやはり待たせてしまった。
空のオフは私のオフとはほぼ重ならない。残念。
かつての空なら私の会社の前に車を停めて待機したはずだが、「目立つのイヤなんだろ」と最近はかなり「常識的」になってくれた。

今日のデートは都下にあるミニシアターで古い名画を見るというプラン。
小国の王女様が外交先のローマで出会った新聞記者と恋をするお話は、テレビ放映でもDVDでも見たが映画館で見るのは初めてだ。
郊外にある映画館というのも目立つ彼氏を持つ身には助かる。

帽子とサングラスで扮装した空に駅の改札口で出迎えられる。
だが隠し切れないオーラのせいで女子高生たちの視線が集まっている。
まずいなぁ。人気商売の彼の足を引っ張りたくない。
「早く行こう」と空の袖を引くと「何だよ。手、つなげよ」と指を絡めてがっちり恋人つなぎをされてしまった。

映画館は八割方客席が埋まっていた。
若い子もそこそこいたが、老夫婦らしきカップルが多く、フライヤーを見ながら談笑する姿を見て心が和んだ。
昔のデートの思い出でも語ってるのかな?素敵だな。

内容は簡単に言えば悲恋なのだけど、無邪気だった王女が切ない恋を経験して大人の表情になるラストがいつも印象に残る。
上映後、隣のレストランでご飯を食べながら空に感想を聞いた。
「俺は髪をバッサリ切るとこ。あと真実の口のシーン? 記者の手が食べられちゃったと思い込んだとこ。めっちゃ可愛かった」
「あー、あれは可愛いよね。私もローマに行ってアレやってみたい」
「映画に出てくるシーンて再現したくなるよな」
うんうん、とうなずいていたら太ももにぞわぞわと何かが触れる。
ん?

「ちょ、ちょっと何してんの!」
「ん? 再現してんの。一緒にDVD見たじゃん。ダンサーの話でさ、メシ食いながら足で相手にイタズラするの」
高級レストランでロブスターを食べながら、ヒロインが向かい合った彼氏の股間を足の爪先でまさぐるシーンを思い出す。
いや、それどころじゃない!
スカートの中に足をつっこまれているのを誰かに見られたら。

「……あれは、ヒロインからだったでしょう」
「あーそうだった。じゃ、あんたが俺のをやってみる?」
ニヤッと笑う顔はいつもの悪ガキ。やはりまだまだ「常識人」には遠い。
シツケが足りない? でも惚れた弱みでやっぱり許してしまう。
「……ベッドでならね」
それを聞いた悪ガキは身を乗り出して「今から実践しようぜ」と私に囁き、テーブルの伝票をつかんで立ち上がった。

(了)








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# 恋する編集者シリーズ完結記念。アフターストーリーその①「撫でし子。」

恋する編集者シリーズのアフターショートストーリーをかしわさんが寄稿してくださいました。
本日公開するのは2015年12月に発売した第4弾「撫でし子。」のものになります。
(本編をお聞きになってからお楽しみください)




「チビスケの悩み」
~恋する編集者シリーズ第4弾『撫でし子。』アフターSS

ミタニはずるい。
さっきまで彼女の膝はオレのものだったんだ。
「優さん、お帰りなさい」と彼女がミタニを出迎えた時に床に降ろされたのはしょうがない。
それから二人で食事を取ったのも認めてやろう。(人間だって腹は減るだろうし)
だが問題はその後だ。ミタニは言った。

「なんだか耳がごろごろする。うっとおしい感じだ」
優しい彼女は「それは困りますね。見ましょうか?」と言いながらミタニを手招きした。
右手にはふわふわした白い綿毛?のついた細い棒を持っている。(耳かき棒というものらしい)
それを聞いたミタニの顔が「どうしたんだ、お前!」と言いたくなるほどゆるゆるになったのを、オレは見逃さなかった。

かくして彼女の膝はミタニの頭に占領されてしまった。
ミタニは「うはー」だの「あー」だのという気持ちよさそうな奇声を発する。
……腹が立ってしょうがない。オレだって彼女の膝の上でゴロゴロ言いたい!
(してみるとミタニの「あー」はゴロゴロと言うことか)
「さっきからチビにじっと見られてるよ」
「耳かきの毛が気になるんじゃないでしょうか」
「なるほど。そうか」

……。じゃあそういうことにしておいてやろう。
オレは低く姿勢を取り、ミタニの耳の上で踊るふわふわに狙いを定める。
題して「耳かき棒&彼女の膝・奪取計画」
それでこの膝枕とやらが中断されてしまえばいいのだ。

飛びかかろうとした瞬間、ミタニがすばやくオレをキャッチした。
「はっはー、残念でしたー。チビスケくん!」
胸に抱え込まれたオレはジタバタともがく。
やめろ、顔を寄せるな、お前のヒゲは好きじゃない。

「優さんどうですか?」
「うん、スッキリした。ありがとう」
……耳かきが終わったらしい。
だがミタニはオレを抱えたまま彼女の膝からどこうとしない。
そして片手だけ伸ばして彼女の頭を引き寄せて、顔を近づけた。
二人の身体にサンドされてオレは身動きが取れなくなってしまった。

……この二人はたまに、いや、頻繁にこれをする。
オレと彼女も鼻同士をこすり合わせることはあるが、人間の作法だと口同士でするもののようだ。
きっと仲良しの挨拶なんだろう。
オレはしばし考える。
オレが人間になった暁のことを。
(彼女とはともかく、ミタニとこれをするのは嫌だなぁ)
悩み深いオレに気づくことなく、二人の挨拶はいつまでも続いていた。



(了)

※次回は2015年11月に発売した第3弾「かけ引き。」のアフターストーリーを公開する予定です




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