FC2ブログ

Tunaboni Collectionsの制作情報をお知らせいたします

# ツナボニコレクションズ(Tunaboni Collections)公式ブログ

# 【Vol.4心月編明日発売!】KIRA・KIRAシリーズ:ハロウィーン・ショートストーリー第2弾壮吾編

明日10/30はKIRA・KIRAシリーズ第4弾心月編(CV:鷹取玲)の発売です。
ティザーサイトはこちらから

三夜連続のハロウィーン・ショートストーリー2つ目は、第2弾壮吾編(CV:久喜大)のお話です。

壮吾SS

KIRA・KIRA_Vol.2壮吾編(CV:久喜大)
「残業ハロウィーン」

今、壮吾先輩は絶賛残業中だ。
F3層(50代以上のユーザー)向けのラインのCMにずっと起用していた女優さんから、契約の休止を求められてしまった。健康上の理由とのことで仕方ないとはいえ、おおよそ組んでいた来期のCMスケジュールが白紙になった。
それで一からプランの組み直しをしているというわけ。

何か手伝えることはないかとうろうろしているのを見咎められる。
「ちょろすけ、俺を待たずに帰っていいよ」
「いえ、私もいつかピンチが来るかもしれないので後学のために」と言うと
「全然ピンチじゃないし。……まぁたまにはこんなこともあるよ」とにやりと笑う。
「ありますか」
「あるね。でもタレントを差し換える場合、イメージに合う人を選抜するのに時間がかかるしコンセプトも変えることがある。CMプランナーに丸投げもできるけど、それだと俺の流儀に反するな」
かっこいい。尊敬する。自分の仕事にプライドがある人の言葉だと思う。

「なぁ、俺、今尊敬された?」
うなずくと、またまたニカッと笑い「よし、褒めてくれたお返しに撫でてやろう」とクシャクシャ頭をかき混ぜられた。
「ていうか、これサビ残になるぞ。……俺のそばにいたいならそう言えばいいだろ」
上目遣いに見つめてくるのがずるい。
現在職場には私たち以外の誰もおりませんが、先輩?残業トークに甘さを混ぜてくるのはいかがなものでしょう。
まだ見つめ合っていたかったけど、どっぷり浸るわけにはいかないのであえて身体を離した。
「……えーと、夕飯買ってきますよ。何がいいですか?」
「おお助かる。何でもいいや。任せる」
ラジャ―! 美味しそうな夕飯を見繕ってまいります。

買い物かごを持ってコンビニ店内をうろつく。
お母さん食堂、美味しいよね……これに白いご飯とサラダは悪くないと思う。
何がいいかな。何でも食べる人だけど、と最後のひとつだったハンバーグに手が伸びた。
人気があるみたいだね、これにしよう。
ふとレジ横を見ると、ハロウィーンパッケージのスナック菓子が山積みされていて、すべて半額の値札が貼られている。
そうか。ハロウィーンももう終わるんだ。
せめて雰囲気だけでも味わってもらおう、と言うことでかぼちゃのプリンを買ってみた。

休憩室に立ち寄って、ご飯とおかずをレンチンする。デミグラのいい匂い。うん、間違いがない。
このドアの向こうに腹ペコの先輩がご飯を待っていると思うと何故か「お母さん的な気分」になってきた。
「おお、ありがとう。美味そう」
破顔する壮吾さんがやけに可愛い。
箸を使ってご飯をかきこんでいる横顔を見ながら(壮吾、美味しいかい?)と心の中で呼びかけてみる。
「……?おまえの分は?」
「いえ、私は帰ってから食べます」
「アレ、帰してもらえると思ってたの?」
「!」
「なぁ、ちょろ知ってるか?残業エッチって会社員の6割が体験してるらしいぞ」
「!?」

驚き固まる私の頬に大きな手が伸びる。ああ、胸元から『大和』の香りがする。私たちの。
(駄目です、駄目、そんなこと、しちゃ駄目、絶対に……………)(……?)
薄く目を開けると身体を折り曲げて笑う壮吾さんの姿があった。
「あっはっはっはっ、おまえ、ホントにちょろいな。まさか目を閉じるとは思わなかった」
「~~~~!」
………ひどい。からかわれた。
「……帰ろうかな」
「怒った?」
「怒ってないです。休憩室の冷蔵庫にデザートがあるので食べてください」
「悪かったよ……ごめん」

ぎゅっと私を抱きしめて「ありがとう。夕飯、美味かった」と囁いてくるのがずるい。
「私が作ったんじゃないですもん」
「いいや、おまえが買ってきたから美味かったの」
抱きしめの角度が変わってまた香りが立ち上る。
『大和』のラストノート。私はこの香りに弱い。とても弱い。
「ちょろ、大好きだ」……おまけに耳元でそんなイイ声出されたら。
「……いいです。ハロウィーンだから、からかわれても」
ああ、やっぱり降参してしまった。

「……そういえばハロウィーンだったか」
思いがけない言葉を聞いた、というように壮吾さんが顔を上げる。
「はい。デザートにかぼちゃのプリンを買ってありますよ。かぼちゃ大丈夫ですか」
「甘いの?」
たぶん、でもそんなに甘すぎる感じじゃなさそう、と首をかしげる私のあごを持ち上げる。
「?」
「だったらこっちの方がいいな」

……ひとしきり口内を舌で舐め回された後、熱い吐息と共に唇が離された。
「………甘かった。ご馳走さま。……美味しいお菓子をもらったからもういたずらはやめとくな?」
「……ですか」
「……あと30分待てる?でもおまえ腹減ってるだろ」
「……かぼちゃプリンもらっていいですか」
「いいけど、それでしのげるの?」
「しのげますけど、まさか、あの、ざんぎょうエ」
「ばーか。さっきのは冗談だ!」
先輩、顔が赤いです。
……ハロウィーンのかぼちゃさん、おかげさまで残業後のデートが決まりました。
ハッピーハロウィーン、ありがとう。

(了)


# プロフィール

ブログ担当

Author:ブログ担当
ツナボニ 公式ブログです
作品に関する情報をお届けします

# 最新記事

# バナー

# QRコード

QR