Tunaboni Collectionsの制作情報をお知らせいたします

# ツナボニコレクションズ(Tunaboni Collections)公式ブログ

# 「私の小鳥-Shwarz(シュバルツ)-」 アフターショートストーリー

私の小鳥シリーズ「Shwarz(シュバルツ)」(2016年7月発売)のアフターショートストーリーです。
本編をお聴きになってからどうぞ。
ティザーサイトはこちら

「あなたのすべてを知りたくて」
~私の小鳥-Shwarz(シュバルツ)-アフターSS


私にはずっと気になっていることがある。
グリューエン市にいた2年間のコンラート様のことはうすうすわかるし、今の彼については当然知っているつもりだ(一緒に生活しているのだもの)
でもそれ以前の26年間、お城にいた頃の彼のことは知らない。
(一体どんな風に過ごされていたのだろう……どんな方とおつきあいを……)
食後のお茶を飲みながら考えていると彼が私の様子に気がついた。

「どうしました?」
「あの……ずっと伺いたいと思っていたことがあって……でも、無理にということでは」
手にした書類をテーブルに置いて『話を続けるように』と彼が片眉を上げた。
「……お子様の頃のあなたのご様子とか、その後の……グリューエンにいらっしゃるまでの過ごし方とか」
「……ほう。またですね」
「?」
「あなたは私を質問責めにするのがお好きだから」
ふふ、と笑って指を組み、私を上目遣いで見つめた。
「……正直におっしゃい。本当にお知りになりたいのは私の過去の女性関係。……違いますか?」
オリーブグリーンの瞳にキラリと射抜かれて私の心臓が跳ね上がった。

「……あなたには余計な話をしましたからね。本気とも遊びともつかない付き合いをしていたとか、素直じゃない女がいいと思っていた時期もあったとか」
図星を刺されて思わず顔が赤らんだ。
「……おっしゃるとおりです。みっともないですね、ごめんなさい。聞かなかったことにしてください」
くすくす笑いながら、コンラート様はこっちにおいでというふうに、優雅な手つきで私を招く。
「……いや、全然。いい傾向ですよ。あなたは今まで『嫉妬』という感情をご存知なかったのに、私の過去が気になっているのだから」
ずいぶん遅い気づきですけどね、と言いつつ、私を抱き上げて膝に乗せる。

「馬鹿げたものばかりで、お耳に入れる必要はないと思いますが……。でもこんなことで心を痛めるのもお気の毒ですから。少しだけ、ね?」
「先の国王の時代、宮中はかなり乱れておりまして。……貴族なんてものはどこの国でもそうでしょうけど、真面目な男女の交際を軽んじる風潮がありました」
指で私の髪や耳をもてあそびながら、彼はなおも続けた。
「……誰があの女を落とせるか、なんてことはしょっちゅうしてましたよ。要するに……おふざけ、ゲームみたいなものです」
「?相手の女性が本気になったらどうなさったんですか?……少しお可哀想な気がしますが」
ふうーとため息をつきながら天井を仰ぐ彼。
次に私によこした眼差しはとても切なそうに見えた。

「軽蔑しますか?……なんとも思わなかったのですよ、私はろくでなしでした。不遇の時代があって……第五子以降の王子には教育を受けさせないという法律のせいで」
「そうだったんですか!?」
「ええ。……要するに飼い殺しですね。当時の官僚が作った悪法です。教育費というのは膨大ですから税金の節約になりますし、継承権の低い王子に余分な知恵をつけずに済む。大人しく息だけしていろということだったと思いますよ」
「……それで、無為な生活を送りました。『おまえは必要ない』と言われているようで……自分すら大切に思えなかったので、他人を大切に思うことはもっとできなかったんです」
「………」
「そのうち、そんな生活に嫌気がさして独学で勉強をし始めて。……ああでも。兄王の治世になってからは大学に通えるようになりましたよ」

知らなかった。そんなことがあったなんて。
「それで。遅まきながらやるべきことを見つけたくて学業の途中で城を飛び出した。あの2年間の生活が私を真人間に近づけてくれた……だから」
「まともになってからあなたに出逢えてよかった、と……おや。何故そんなに悲しそうなの?」
不思議がりながら私の顔を覗き込む。
「いいえ。……私は……その頃……辛い思いをされていた頃に……お力になりたかったです……」
その言葉を聞いて彼が私をまじまじと見つめる。
と、みるみるうちに痛みをこらえるような表情になった。
失礼を言ってしまったことに気づき、謝罪しようと口を開いた瞬間。

私のうなじに彼の大きな手が回り、顔を寄せられ、唇を奪われた。
歯をこじ開けられ、舌を差し込まれ、くねるその動きにただただ翻弄される。
ひとしきり私の口内を蹂躙した後、ため息をついた彼がつぶやいた。
「……そういうところが、たまらないんです……。心がね、きゅうっとなります。あなたの純粋さに……」
ぐるっと視界が半回転した、と思うまもなく上向かされた。
そのまま私を横抱きにし、立ち上がった彼はおだやかな微笑みを浮かべている。

「あ、あの……?」
「あの過去があなたに逢うための布石だったなら。……もう自分を恥じずに生きていけます。……未来永劫、私の力になってください」
「コンラート様」
迷うことなく寝室に向かう彼がそっと私の耳に囁く。
「そういうわけで。……さっそくあなたを補給させていただきます。……よろしいですね?」
(私が知っているあなたがきっとあなたのすべて)
うなずいた私の額に軽いキスをして、彼は寝室のドアを開けた。


(了)

# 五日天峰さんキャストコメント(Tiny lovely days-タイニーラブリーデイズ-の収録直後のものです)


ネット拾いもの
9月28日(水)発売「Tiny lovely days-タイニーラブリーデイズ-」
ティザーサイトはこちら

■収録は6月下旬、都内の某スタジオで行いました。
以下はご出演の五日天峰(いつかてんほう)さんから収録直後に頂いたコメントです。


★収録のご感想をお聞かせください。

五日さん
「シチュエーションCDに初めて出演させて頂きました。ダミーヘッドマイクの有効な使い方、動き方等も含め演技以外での作品作りに最初は戸惑いました。
ですが、何度もテイクを重ねるうちに、僕の中で、対象となる彼女が段々はっきりとしてきました。
アドレナリンが出てきたと言いますが、本当にダミヘが愛しく見えてきて、気持ちを入れて楽しく演じる事が出来ました。
今は達成感と言いますか、心地よい疲労感で包まれております」


★このCDをお聞きになる皆様に一言頂けますか?

五日さん
「このCDを聴いて甘いカップルのひと時に浸っていただいて、日頃の仕事のストレスや対人関係のイライラだとか(笑)その他もろもろのご不満を少しでも解消して頂ければなと思います」


★長時間に及ぶ収録にもかかわらず、最初から最後まで笑顔を絶やさぬ姿が印象的な五日さんでした。
五日さんの頑張りをぜひこのCDでご確認ください!

# 新作CD「嵐一夜-アラシノイチヤ-」のテーマ

嵐汎用_サイズ小
ティザーサイトはこちら

Tunaboni Collectionsです。
新作CD「嵐一夜-アラシノイチヤ-」のテーマについてご紹介いたします。
この作品は「江戸時代後期のある嵐の晩、旅の男女が一夜を過ごす」というお話です。
旅先で会った人間に名乗ることは現代でもしないと思いましたので、あえてキャラクターにも名前を付けませんでした。

この作品では、男女が恋に落ちるまでの過程と共に、セックスの持つ「癒やしの力」も描きたいと思いました。
この2人の出会った「嵐」には実際の天候だけではなく別の意味もこめられています。
嵐の後に見えてくるものをお届けできればと思います。

この作品をもって2016年分のリリースは終了となります。
(今年は単品が多かったので来年2017年はシリーズを出したいと思っております)
また近々「Tiny lovely days-タイニーラブリーデイズ-」のキャストコメントをこちらのブログに掲載する予定です。
お楽しみに!

Tunaboni Collections

# 「私の小鳥シリーズ」が始動しました

新しいシリーズが始動しました。現在までの決定事項についてお知らせします

『私の小鳥シリーズとは?』
ティザーサイトはこちら

近世ヨーロッパの架空の小国「リヒトブルク王国」を舞台にしたロマンチック・ラブストーリーです。
登場する貴公子たちはちょっと意地悪な教会管理人と遊び人の末っ子王子様。
貴女はどちらの彼がお好みですか?

シナリオ:かしわ
イラスト:一越A区



「私の小鳥-Schwarz(シュバルツ)-」(2016年7月発売予定)
コンラート(CV:河村眞人)

グリューエン市にある教会の管理人。慇懃無礼な丁寧語を話す。
穏やかそうに見えて結構辛辣。孤児を保護するなど根は優しい。
コンラートフェイス



「私の小鳥-Weiβ(ヴァイス)-」(2016年8月発売予定)
ルドガー(CV:テトラポット登)

先の国王の第14王子(現国王の末の弟)
留学を控えた勉強中の身でありながら、夜な夜な城下町にくりだして遊んでいる。
明るく呑気で人懐こい性格。
ルドガーフェイス



# 恋する編集者シリーズ完結記念。アフターストーリーその⑤「つよがり。」

恋する編集者シリーズ第5弾「つよがり。」(2016年1月発売)アフターショートストーリーです。
(本編をお聴きになってからどうぞ)





「知らない彼」
~~恋する編集者シリーズ第5弾「つよがり。」アフターSS


焼津の漁港に取材に来てお土産にマグロをいただいた。
同行のカメラマン松尾さんと分け合おうとしたが「俺、魚苦手なんだよね」と拒否される。
帰りの車の中で美紀彦に「マグロもらったけどお刺身食べる?」とラインをするが、中々既読がつかない。
当然だ。多忙な彼はプライベート用のスマホを見ている暇などないもの。

何度もスマホを確認していたせいで「連絡待ち? 彼氏?」と運転中の松尾さんにニヤニヤされる。
「違、」と言いかけ「……そうです」と応え直したら、「顔が真っ赤だ」とますますからかわれてしまった。

帰宅後シャワーを浴びてバスルームから出ると、テーブルの上のスマホのライトが点灯していた。
「食べる。今晩行く」との短いレスポンス。情報はこれだけ。
彼の来訪が何時になるのか読めないのはいつものことだ。
「待ってるね」と送り返す。

さてこうしてはいられない。
解凍方法の書かれた紙とにらめっこし、どうにか美味しそうに見えるようにマグロを切り分けた。
あとは何にしよう? 野菜の煮物かな。里芋があったはず。

煮物を仕上げてかき卵汁を作りかけた時にチャイムが鳴った。
「お、いい匂い。煮っころがし?」
ドアを後ろ手に閉めた美紀彦が「これ飲もう」と地酒を差し出してくる。
「マグロにはやっぱり日本酒だよな。女将さん、一本つけてくれよ」
笑いながら地酒を受け取り台所に立った。

二人で食べるには多すぎるかと思われた刺し身もあらかた片付いた。
「ご馳走さまでした。刺し身も美味かったけど煮っころがしが絶品だったな」
彼が満足そうにため息をつく。作ってよかった。
その後、お茶を飲みながら今日の取材の話をしていると、だんだん美紀彦が不機嫌になってきた。
……何が気に入らないのかな。

「美紀彦?」
「……松尾とおまえっていつもペアなの?」
「?……あそこの雑誌じゃわりと多い方かも」
「ふーん、そうなんだ」
器用に片眉だけを上げうろんげに私を見る。

「……ったく。今まで『松尾さんがどうしたこうした』って何度聞かされたことか。
我慢してたけど、もうこれも解禁でいいよな? そいつの話はもう、す、る、な」
と、人差し指で私の口をリズミカルに叩く。
「俺がヤキモチも焼かないような男だと思ってた? 認識不足だね」

「でも松尾さんとはそういうんじゃ」
押し倒され、弁解しかけた唇をいきなりふさがれた。
容赦なく口内をかき回す熱い舌。その熱さに酔ってしまう。
「聞かないよ」
そう言い捨てると、私の唇の端を軽く噛んだ。
彼の荒い息が耳元に降るだけで背筋を微弱な電流が走る。
首筋に落とされるキスに身体の力が抜ける。

「髪、いい匂いがする……シャワー浴びた?」
「……みき、ひこ、……もう、」
「わかってる。ほら、肩につかまれ」

抱きかかえられた、と思う間もなくベッドに落とされた。
「ひどい」
「ひどいのはどっち。ようやく恋人に戻った女から、他の男の話を聞かされる身にもなってみろよ」
ズボンのベルトを外してのしかかってくる。
「……怒ってるの?」
「んーわりとな」
すねてる。こんな彼を見るのは初めてだった。十年近くもそばに居てまだ知らない彼がいるなんて。

「今夜は寝かさないから。覚悟しとけ」
不敵な笑みで宣言し、私の服をはぎ取っていく。
……はい。覚悟、します。


(了)



おまけ※「つよがり。」で使用した回想シーン導入BGMのフルバージョンです(♪をクリック)
♪mikihiko.mp3
mikihiko.jpg


長らくお付き合いありがとうございました