Tunaboni Collectionsの制作情報をお知らせいたします

# ツナボニコレクションズ(Tunaboni Collections)公式ブログ

# 「私の小鳥-Rosa(ローザ)-」発売記念ショート・ストーリー

「私の小鳥-Rosa(ローザ)-(CV黒井鋼)」(2017年10月25日発売)
公式サイトはこちら

本編が始まる直前、お宝ゲットのためにウォームアップ中のジェローデルのお話。まだ2人は出逢っていません。

「Seul Dieu sait !(神のみぞ知る)」


王宮から私邸へ続く回廊をすれ違う人々に会釈をしながら歩く。
(なんでこうやすやすと入れたものか)
いささか拍子抜けする。

まずパーティー会場への入場そのものが緩かった。
入り口で招待状(偽造)を見せただけですんなりパスしてしまう。
受け答えまで用意周到に準備してきたというのにまるで意味が無かったぞ。
(フランスの外交官補佐という設定が完全に無駄…おお)
結構な人数がいるはずなのに混雑していないのは、サロンから庭まですべてを解放しているせいだ。
形式ばったパーティーではなくかなりフランクで、逆に言うと人が散らばりすぎてお目当ての人間がどこにいるかもわかりにくいという按配。
人だかりが多い場所に見当をつけてようやく国王陛下を見つける。
が、何かが足りない。
何だろう……?と首をひねってすぐに気がついた。
(どうしてロザリオを身につけていないんだ?)

話しかけてさりげなく後ろ手で鎖を切り、落としたところをすり替える……という手段を考えてきたが……水の泡だよ。
呑気に笑う王様をまじまじと見つめる……陛下、ロザリオはどうされたのです?
威厳はあるが親しみやすそうな御仁だ。
噂には聞いていたがこのリヒトブルクという国はちょっと変わっているらしい。
この王様、ヴィルフリート公になってからグッとラフに(いい意味で)なったという。
いやいや、そんな感想を抱いている場合じゃなかった。
おそらくロザリオは私邸にあるのだろう。
先を急ごう。

奥へ奥へと進むと人の気配が急に途絶えた。
流石にというか、当たり前だが、私邸へ続く扉の前には衛兵が2人いた。
まずは第一関門。
何やらニヤついた顔で話をしているが、どうやら夜勤明けに【よからぬ場所】で遊ぶ算段のようだ。
私はゆっくり彼らに近づきにこやかに話しかける。
「ボンソワ、ジュフェデモミュ?(こんばんは、がんばってる?)」
ふたりは「色男が来たぞ」「フランスの客だな」と目配せをし合い、ぎこちない笑顔を向けてきた。
うーん。少しぐらい疑ってくれればいいのにねぇ。

まぁいいか、時間が無いし、と懐からパルファン(香水瓶)を取り出した。
「女とアソブの?コレふらんすの香水。モテルよ。つけてミル?コレをつけたらモウ……!」
と、わざとらしくカクカクと卑猥な腰つきをしてみせる。
「おーメルシーボクー!」と熱り立つ彼らは助平心が勝ちすぎだ。
これをね、こうやって……と鼻の下に塗りつけてやると、あっけなく膝から崩れ落ちてしまった。
その後、ふたりを寝心地の良さそうな植え込みの陰に移動させ、そっと声をかけた。
『ボンニュイ。いい夢を』

さあ行くぞ。
高揚する気持ちを抑え王の私室に続く廊下をひた走る。
私邸の使用人たちもパーティ会場に駆り出されているようで万事好都合。
ドアに手をかけると案の定施錠されていない……カチリ。
第二関門突破。
この瞬間がたまらない。
興奮のあまり達ッてしまいそうだ……愛しいお宝は……どこだ?

あれ。
廊下を駆けてくる音がする……誰かがここにくるのだろうか?
見つかるかどうかは神様だけがご存知だが、勿論捕まるつもりはない。
私はじっと佇み運命の瞬間を待ちわびる。

(了)

# 応募者限定ファンディスク「In the room-夏の夜の庭で-」ご応募ありがとうございました。

(2017.12.31追記)

たくさんのご応募ありがとうございました。12/31(日)22時を以て応募受付を終了いたしました。

Tunaboni Collections





平素は格別のご高配を賜りまして厚く御礼申し上げます。
2016年4月に発売された「In the room-イン・ザ・ルーム-(CV茶介)」の分岐エンド1のアフターストーリー「夏の夜の庭で(公式特典SS)」に加筆修正し、音声化してファンディスクとして制作いたします。

FD画像

作品ファンの方へ感謝をこめての制作です。応募者限定で配布いたします(※非売品になります)

●「夏の夜の庭で」あらすじ
…夏の夜、満月の光に誘われて庭に出たふたり。虫の音色を楽しみミモザの花の下で遊ぶうちにやがてふたりは―




【内容・応募期間・発送】
・CD仕様……朗読と台詞(=18推シーン含む)&茶介さんのコメントが15分ほど。全部で30~35分程の収録時間です(一般マイク使用)
・その他同梱品……夜咲こんさん描き下ろしイラストカード
・応募期間……2017年12月31日(弊社銀行口座への入金確認を含む)まで
・発送時期……2018年1月下旬から順次開始予定

【諸注意】
・応募には800円の諸費用(梱包費と送料を含む)をご負担頂きます。
・送信完了後に自動応答メールが届きます。(@outlook.jpを受信可にしてください)そちらに記載してある口座へ送金をお願いします。
・CDはクリックポストで発送しますが追跡番号のご連絡はいたしかねます。その他の発送方法には対応できませんので、予めご理解くださる方のみ、ご応募をお願いいたします。
・入金確認メールはお送りしませんのであしからずご了承ください(入金を証明する受領証などをお手元に保管していてください)

※ご不明な点はお問い合わせフォームよりお願いいたします。



【お問い合わせ頂いた内容で多かったもの】
・800円は「商品代金」ではなくファンディスクを制作・発送する上で応募者の方にご負担いただく額です(※制作や発送に関わる費用の一部をご負担いただくという考え方になります)
・ご負担してくださった皆様に出来上がったCDを配布するというのが今回の主旨になっています。
・このCDはそういうわけで販売商品ではありませんので、代引き決済やクレジットカード決済はご利用できません。あしからずご了承ください。

# 2017年~残りの発売予定作品について

2017年中に発売する予定の作品です。(※いずれも18歳以上推奨作品になります)

①「ファム・ファタールVol.2狂夏」
2017年8月30日発売予定
公式サイトはこちら

シナリオ:天王州藍
イラスト:夜咲こん
キャスト:櫻井真人、佐和真中
ファム2汎用画像


②「私の小鳥-Rosa(ローザ)-」
2017年秋発売予定
私の小鳥サイト

シナリオ:かしわ
イラスト:一越A区(※現在は天城ゆうつづ名でご活躍中ですが、シリーズでは旧名の使用許可を頂いています)
キャスト:決定済み……告知と予約開始は7月中にする予定です。弊社作品には初めてご参画いただくキャスト様です。

※こちらのキャラは職業は”商人”、趣味が”泥棒”という食わせ者。王女様と彼の恋のお話です。
ジェロちら見せ


③「mariage-マリアージュVol.3月村海編」
2017年秋発売予定
mariageサイト

シナリオ:かしわ
イラスト:今冨
キャスト:決定済み……収録日が未定なのでそれ以降に告知をする予定です。弊社作品には初めてご参画いただくキャスト様です。

※年下の旦那様です。


年内の発売予定は以上になります。
ファム・ファタール・シリーズは「Vol.3冬の狗」を年明けにお届けするつもりでライターが頑張っています。
それ以外では過去作品のファンサービス的な企画のCDを考えていますが、これもお届けできるのは年明けになるかと思います。

相変わらずのんびりペースのリリースで恐縮でございますが何卒ご理解くださいませ。
新しい情報があり次第、公式サイトブログツイッターで順次お知らせして参りますので、今後共よろしくお願い申し上げます。

# 「私の小鳥-Blau(ブラウ)-」ミニ・ストーリー

「私の小鳥-ブラウ(Blau)-(CV天野晴)」(2017年6月28日発売)
公式サイトはこちら

アドルフの名前の由来を短いストーリー仕立てでご紹介しています。
サンプル1のシーンになります。

「アドルフ・ヴォルフガング・フォム・デム・リヒトブルク」

跪き、姫の手を堅く握りしめた私は、久しぶりにフルネームを名乗ったことに気づいた。
名乗るたびに否が応でも意識せずにはいられない。
父上がこのセカンドネームにした理由を。

ギムナジウム時代は自分の名を名乗るのは大変に気が引けた。
アドルフ=蒼き狼
ヴォルフガング=旅する狼
狼が二匹もいる。
口さがない友人には「ずいぶんと勇ましい名前だね」とよくからかわれたものだ。

瞳の色が蒼いことでついたファーストネームは分かる。
からかわれたことで疑問を抱くようになり、思い切って父に尋ねたことがある。
『旅する狼に何か意味があるのか』と。
父は笑って答えてくれなかった。

長じた今はこの名前に誇りを持っている。
「冒険を恐れるな」という意味があるのだと……私自身はそう解釈している。

目の前にいるお気の毒な姫の窮地を救う。私は今そう誓った。
(あなたを全力でお支えする。この名に恥じぬように)

(了)

※ギムナジウム…ヨーロッパの教育機関。日本の中高一貫校のようなもの

# 「mariage-マリアージュ-Vol.2樋口涼編」ショートストーリー

「mariage-マリアージュ-Vol.2樋口涼編(CVテトラポット登)」(2017年5月発売)のアフターショートストーリーです。
公式サイトはこちら
本編をご視聴後にどうぞ!

「ロマンチックの源流」

クライアントとの打ち合わせが思いの外早く終わってしまった。
込み入った案件だったので、勉強のために嫁を同席させていたのだが、担当者に『樋口さん、奥さん見せびらかしに来たの?』と冷やかされたのは参った。
……まぁ、完全には否定できなかったり。

平日の午後の繁華街。
「会社にまっすぐ戻ってもつまらんな。デパートを視察、そんでデパ地下でデリ買って家に直帰。ワインと一緒にやっつける。どうよ」
-朝作ってきたおかずがあります、勿体ないです
「おまえなー。たまには手を抜けよ」
歩きながら相談していた矢先にシネマコンプレックスのビルが見えてきた。
(映画デートという手もあるな)と思ったが、恋人時代同様に計画性が無いのはどんなもん?としばし迷った。
が、嫁の目が一枚の映画のポスターに釘付けなのを見て迷いが消える。

「これ、見よう」
-え、いいんですか?
「お好みど真ん中そうだし。いい感じで時間も合うみたいだし」
-涼さん、ミュージカル映画ですよ……?大丈夫?
「む?それはどういう意味かな?」
俺はおまえのひよこ口が見られればいいんだよ。
「アニメはガキの時にDVDで見た気がするんだけどイマイチ覚えてない。これ実写だろ?CGがカッコよさそう。見たい。見ようぜ」
『ホントに?』と不審げな嫁をビルの中に押し込んだ。

結論から言うと映画は俺自身も楽しめた。
パンフレットとサントラCDを嫁に買ってやり、そのまま帰途に着く。
嫁は道すがらいろいろと解説してくれた。
いわく、原作ではヒロインは一人っ子ではなく兄3人姉2人がいるということ。
お父さんは発明家ではなく商人であること。などなど。

-野獣の俳優さん、目が綺麗でしたね
電車の中、パンフをひろげながら嬉しそうに語る。
「本当にロマンチック好きだよな。何がきっかけ?」
俺の質問にうーん?と首をひねって考え込んだ。
-気がついたらそうでしたね……母の読み聞かせのせいかも
自分で読めるようになってからは原作にも手を出したとのこと。中には恐ろしい結末のお伽噺も多いらしい。

「聞いたことがあるな。グリム童話は特に残酷だとか」
-そうなんです……悪者への報復がひどい……ちょっと辛い
眉を曇らせ+悲しげに+首を横に振る。
ああ、マジで辛そう。可愛い。
『なんでこいつはこんなに表情が豊かなの?』と常々思っていたが、幼い頃の情操教育が行き届いていたせいかもしれない。
嫁のお母さんありがとう。
こんなに可愛くしてくれてありがとう。

家に着いて夕食を済ませリビングでくつろぐ。
「おいでー」
と召喚するのは例によって膝の上だ。
新しいソファは毎夜の2人分の加重に耐えられるのか?少し心配だ。
まだどこかほわほわ顔なのは、映画の余韻なのかもしれない。
なので、つついてみたくなった。
「ちなみにおまえが一番好きな童話って何?」
-う~ん……からかわれそうだから嫌だな
「いいから。言ってみ」
-嫌です
「……待てよ……たぶん……アレだ」

ドレスショップで散々悩んでたアレ。
『これは私の体型には似合わない……』と一度は立ち去り、他のものを見てはまた戻る、を繰り返していたマーメイドライン。
着るだけ着てみろ、と試着させたが俺は変には思わなかった。
ショップの人から『ピッタリにお直ししますよ』と一押しされても、らしくもなく即決を渋っていたのだが。
(ちなみにその後は『どれも全部似合うぞ!』と力説し『お願いだから黙ってて』と釘を刺されたので口を出せなくなった)
数日後、直されたドレスを試着しに行った嫁から『大丈夫かもです』とラインをもらい『良かったね』と返信した。

「……人魚姫だろ?」
-うっ!
図星だったらしい。みるみるうちに顔が赤くなる。
「人魚姫よ。おまえが私の命を助けてくれたのだね」
-涼さん、やめて、死にそう……
「なんだよ。こういうの大好きなくせに」
もういいから、とまた映画のパンフを読み始めた嫁の耳たぶは赤いままだ。
効果がありすぎるだろう。楽しいけど。

「それさ、王子に戻る前の野獣の姿もかっこいいと思う?」
俺の膝の上で身をよじり、うんうんと激しくうなずく嫁。
-むしろ野獣のままでいて欲しいんです!
「あー、女ってわっかんねぇな~!王子様がいいって言ったり野獣がいいって言ったり」
どうせならもう一押ししてやりたい。

「な」
とパンフを取り上げてテーブルに放る。
「俺、人間だけど、今から野獣になっちゃうかも」
そう囁いてぐいっと脇に手を入れ立ち上がらせる。
そして、そのまま「よいしょ」とかつぎ上げた。

俺を上から見下ろす嫁の困り顔をしばし堪能する。
やっぱり見飽きない。本当に。
-やじゅう、って……いつもよりやじゅう……?
「ガオー?野獣ナノデ、人間ノ言葉、ワカリマセーン」
美味しい獲物をしとめた俺は意気揚々と寝室へ向かった。

(了)